終戦時の混乱で中国に取り残され、その後帰国した高齢の日本人(中国残留邦人)が、言葉や文化の壁から日本の介護施設になじめず、孤立する問題が出ている。なんとかしたいと、各地の帰国者の2世らが中国語の介護サービス事業で連携を始めた。専門家は「今後増える外国にルーツを持つ人の介護問題の先行事例だ」と指摘する。 東京都江戸川区のJR平井駅から徒歩10分弱。デイサービス施設「一笑苑 平井」で2月1日、春節(旧正月)に向け、通所する女性たちがギョーザを包んでいた。部屋には中国の伝統楽器・二胡(にこ)の音楽が流れる。「あなた包むの上手ね」「たいしたことないわよ」。にぎやかな会話はすべて中国語だ。 戦後に中国で育った彼女らにとって母語は中国語。慣れ親しんだ文化も中国のものだ。レクリエーションでは通所者の青春時代に中国で流行した歌などを歌う。従業員も、日本に住む中国出身者らだ。 中国残留邦人 終戦時に中国で戦闘に巻き込まれるなどして孤児になったり、やむなく中国に残ったりした人たち。厚生労働省の2015年の調査によると、永住帰国した存命の残留邦人は3600人超。そのうち3割弱が要介護認定を受けている。平均年齢は76歳、全体の93%が70歳以上と高齢化が進んでいる。 昨年12月から週に2回通う半崎金子さん(72)は「前の施設では、着いたときの『おはよう』と帰るときの『さよなら』の二言しか話さなかった」という。 言葉の問題でレクリエーションに参加するのが嫌になり、眠くもないのにずっと寝て過ごした。「ここは言いたいことが言えるし、食事も食べ慣れた料理が多く口に合う」と笑う。 「一笑苑」は東京、横浜、埼玉… |
慣れ親しんだ言葉と文化で 残留邦人の介護、2世ら協力
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