介護保険の訪問介護(ホームヘルプ)やデイサービス中に利用できる保険外サービスの事例を、厚生労働省が28日、自治体に通知した。訪問介護では、サービスの前後や合間に、利用者のペットの世話や自宅の草むしりができることなどを示した。
訪問介護ではこのほか、▽外出支援の後、利用者が娯楽などのために立ち寄る場所に付き添う▽通院介助の後、見守りなど院内介助を行う▽同居家族の部屋の掃除や買い物――を例示。
こうしたサービスを提供する場合は、介護保険の対象外であり、料金は全額自己負担となることなどを利用者に丁寧に説明し、同意を得ることが条件となる。
なお、訪問介護を利用する人の食事を作る際に、同居家族の分を保険外サービスとして一緒に作る組み合わせは、「介護保険と保険外サービスを明確に切り分けられない」(厚労省の担当者)という理由で認めなかった。
デイサービス中に組み合わせられる保険外サービスには、外出の付き添いや買い物の代行などを挙げた。
これまでは保険外サービスの提供について明確なルールがなく、自治体が認めるサービスの範囲に差があった。厚労省の担当者は「ルールが明確になることで、介護事業者が保険外サービスにも乗り出しやすくなり、利用者にとっての選択肢も広がる」と話す。(船崎桜)