トランプ米大統領の側近だった元顧問弁護士、マイケル・コーエン被告が6日、議会下院情報委員会の公聴会(非公開)に出席した。同被告は、モスクワでの「トランプタワー」建設計画をめぐる偽証事件にトランプ氏側が関与したと主張しており、米メディアによると関連の証拠資料を提出したという。同被告は公聴会後、詳細は明かさなかったが、「全力で調査への協力を続ける」と記者団に述べた。
コーエン被告は2017年10月、タワー建設事業は大統領選の予備選が始まる前の16年1月末には断念した、と議会で証言した。だが、実際は予備選が本格化してからも計画が続いていたとして、偽証罪に問われ、有罪判決を受けた。
これに対し、2月27日の議会公聴会で議会証言について釈明。自身の証言の準備書面をトランプ氏の弁護士が事前に「検閲して、書き換えた」と述べ、トランプ氏の関与を示唆していた。AP通信によると、コーエン被告は3月6日、この「書き換え」を示す資料を提出したという。
コーエン被告は16年の大統領選中、トランプ氏の指示を受けてタワー建設の事業計画を推進した。事業計画の期間を偽ったのは、トランプ氏とロシアの関係を薄く見せようとしたとされる。(ワシントン=杉山正)