8日の「国際女性デー」を前に東京・六本木で7日夜、作家の角田光代さんとスポーツジャーナリストの増田明美さんが、開発途上国で女性支援の現場を視察した経験などを語り合うイベントが開かれた。
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開発途上国で子どもや女性の教育や権利向上を支援する国際NGO「プラン・インターナショナル・ジャパン」が企画した。
角田さんはこれまでにアフリカのマリやインド、ヨルダンで同NGOの支援現場を訪れた。マリでは女性器切除の慣習をやめようと努力する村人の話を聞いた。「切除しないと結婚できない」といった固定観念を持つ人に対し、「そんなことはない」という事実を少しずつでも伝えていく必要を感じたと話した。
ラオス、トーゴ、ベトナムでの支援活動を経験した増田さんは、トーゴで女の子だけのサッカーチームができたことに触れ、「スポーツを通じて彼女たちは自信を持ち始めた。こんな風に自尊感情が芽生えると、道は開けていくと思えた」と笑顔で話した。
司会でジェンダー専門家の大崎麻子さんに大切なことを問われると、角田さんは「女は学校に行かなくてもいい、といった社会の暗黙の了解が一番の敵。なくしていかないと」。増田さんは「女の子たちに私たち大人が小さな舞台をたくさん作ってあげたい」と答える場面もあった。(鬼室黎)