経済破綻(はたん)と政情不安に陥っている南米ベネズエラで7日、過去最大級の大規模な停電が起きた。一部では復旧したものの、発生から24時間を過ぎても電気がつかない地区が多数あるという。停電で病院の機械が停止するなどして死者も出ている模様だ。
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現地メディアによると、停電は7日夕に発生し、首都カラカスだけでなく全土で電気の供給が止まった。政府は8日を休日とした。
政府の発表では、南部ボリバル州にある同国最大のグリ水力発電所が止まったことが原因。マドゥロ政権は、発電所や送電所の職員らが妨害していると主張している。
一方、地元メディアの取材に、発電所の職員は、設備の整備不良が原因だと答えた。反マドゥロ派で暫定大統領就任を宣言したグアイド国会議長は、停電は現政権の非効率性の証明だとし、「危機を解決するには、政権交代しかない」と訴えた。
9日には、マドゥロ派と反マドゥロ派の双方が、大規模な集会を呼びかけており、過去最悪ともされる今回の停電も互いを非難する材料になると予想される。(サンパウロ=岡田玄)