政府は12日、法科大学院と司法試験を改革する関連法の改正案を閣議決定した。法学部入学から最短で5年目で司法試験の受験資格が得られる「法曹コース」を創設するほか、法科大学院在学中に司法試験の受験も認めるのが主な柱で、今国会での成立を目指す。成立すれば、法曹コースは2020年4月から導入し、在学中受験は23年の司法試験から適用する。
現在、司法試験を受験できるようになるためには法学部と法科大学院で計6年学ぶ必要があり、1年間の司法修習も含めると法曹資格を得るまでに大学入学から最短で8年弱かかる。今回の改革が実現すれば、法曹コースと在学中の受験の組み合わせにより、最短で大学入学から約6年間で法曹資格を得ることが可能になる。
法科大学院をめぐっては、修了しなくても司法試験の受験資格が得られる「予備試験」が11年から導入されたこともあり、志願者が減っている。政府は今回の改革で学生の経済的・時間的な負担を減らすことによって、増加を目指す。司法試験の論文式試験から専門法の選択科目を廃止することも検討したが、学会などの反発が強く、現状のままで残す。(増谷文生、浦野直樹)