政府は12日、法科大学院や司法試験を改革するための関連法案を閣議決定し、国会に提出した。法学部に入学してから最短で5年目に司法試験の受験資格が得られる「法曹コース」の創設や、法科大学院在学中に司法試験の受験を認めるのが主な柱で、低迷する法科大学院志願者の増加を狙う。だが、一部の法科大学院や学会からは、在学中の受験について「大学院が司法試験の予備校となる」と反発が上がっている。
「本末転倒」「時代に逆行」 司法試験改革に懸念の声
2004年に始まった法科大学院は当初、修了者の7~8割が司法試験に合格すると想定されていた。しかし、最近は2割台が続き、志願者も減っている。特に、法科大学院が未修了でも合格すれば司法試験の受験資格を得られる「予備試験」が11年に導入されたことで減少に拍車がかかった。政府は、優秀な人材が予備試験に流れずに法科大学院に進むためには、短期間で司法試験を受験できるようにする必要があると判断した。
現在は法学部と法科大学院で少なくとも計6年学んだうえ、大学院を修了しないと司法試験を受験できない。1年間の司法修習も加えると、法曹資格を得るまでに最短で8年弱かかる。これに対し、今回の改革で導入される法曹コースと在学中受験を組み合わせれば、最短6年で法曹資格を得ることが可能になる。山下貴司法務相は12日の会見で「受験生の負担を考え、在学中受験を前提とする司法試験の実施のあり方などについて、適切に対応していきたい」と述べた。
だが、法科大学院や学会の反発…