12日にあった東京大の入学式で、上野千鶴子・同大名誉教授が新入生に贈った祝辞の全文は次の通り。
「性差別、東大も例外ではない」上野千鶴子氏、入学式で
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ご入学おめでとうございます。あなたたちは激烈な競争を勝ち抜いてこの場に来ることができました。
女子学生の置かれている現実
その選抜試験が公正なものであることをあなたたちは疑っておられないと思います。もし不公正であれば、怒りが湧くでしょう。が、しかし、昨年、東京医科大不正入試問題が発覚し、女子学生と浪人生に差別があることが判明しました。
文科省が全国81の医科大・医学部の全数調査を実施したところ、女子学生の入りにくさ、すなわち女子学生の合格率に対する男子学生の合格率は平均1・2倍と出ました。問題の東医大は1・29、最高が順天堂大の1・67、上位には昭和大、日本大、慶応大などの私学が並んでいます。
1・0よりも低い、すなわち女子学生の方が入りやすい大学には鳥取大、島根大、徳島大、弘前大などの地方国立大医学部が並んでいます。
ちなみに東京大学理科Ⅲ類は1・03、平均よりは低いですが1・0よりは高い、この数字をどう読み解けばよいでしようか。統計は大事です、それをもとに考察が成り立つのですから。
女子学生が男子学生より合格し…