スーパー大手の西友とウォルマート・ジャパン・ホールディングスのリオネル・デスクリー最高経営責任者(CEO)は18日、「西友の売却はあり得ない」と述べ、引き続き国内で成長をめざす考えを示した。
15日の着任を受け、西友が開催した記者との懇談会で答えた。
デスクリー氏は「今後10年をかけて西友を強い会社にしていく」と表明した。ウォルマートが西友の売却を検討しているとした昨夏の報道については「CEO就任を決める前にニュースを知った。眠れぬ夜を過ごしたが、日本市場への長期的な計画があるとウォルマートから説明を受けた」と明かし、「私は売却のためではなく、西友を成長させるために送り込まれた」と強調した。
西友の強みとして「立地などの利便性や強いプライベートブランド」を挙げた。楽天とのネットスーパー事業については「見込みを上回る利用があり満足」と述べた。一方で具体的な戦略は「今後、関係者の意見を聞きながら決める」と述べるにとどめた。
西友は、2015年からCEOを務めた上垣内猛氏が昨年2月に退任後、後任が決まらず空席が続いていた。デスクリー氏はベルギー出身。ベルギーの小売り大手でスーパーやコンビニ事業を統括後、2016年から昨年末までペットショップ企業のCEOを務めた。(高橋末菜)