プロ野球ソフトバンクの王貞治球団会長は22日、ウエスタン・リーグの視察で訪れた福岡県筑後市で取材に応じ、大リーグ・マリナーズのイチロー外野手の現役引退を受け、「来るべき日が来ちゃったのかな。彼にはもっともっと、その日が来るとしても先だろうと思っていただけに残念だね」と思いを語った。
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イチローが現役引退「大変幸せ」 28年で4367安打
この日未明にあった引退会見は「あれだけの選手が引退するにあたって、話す言葉を見逃したくなかった」と午前1時過ぎまでテレビで見ていたという。「あれだけ日米ですごい成績を残した選手だから、悩みはないのかなと思ったら大変な悩みで。普通のレベルの選手が感じない所での悩み。そこに立ったことのある人じゃないとわからない悩み。それがあったから、彼は逆にそれにチャレンジしてここまで来られたんじゃないかなと思う」
王会長は、ホークスの監督時代に対戦した当時のイチローについて、「防ぎようのない選手だった」と振り返る。「投手が一生懸命、速い球や緩い球を投げても、飛ぶコースがいい。不思議と人のいない所に飛んでいく」と語った。
2006年のワールド・ベースボール・クラシックでは日本代表監督を王会長が務め、イチローとともに「初代世界一」を達成した。「あの時は選手がなかなか集まらなかったが、米国の彼から一番先に連絡をもらって、『出ます』と言ってくれて大変心強く感じた」という。「米国の野球を身をもって知ってる人が先頭で参加して大会期間中は米国の野球を話してくれた。我々の方が優れている部分もあるということを話してくれて、一緒にやった選手はその言葉が力強かったと思う」と振り返った。
今月20日に東京ドームであっ…