トランプ米大統領は22日、米国の中央銀行、米連邦準備制度理事会(FRB)の理事に、自らの顧問役の保守系エコノミスト、スティーブン・ムーア氏を指名すると明らかにした。FRBに利下げを求めるムーア氏を送り込むことで、金融政策への影響力を強める狙いがあるとみられる。
トランプ氏は22日、記者団に「ムーア氏を指名する。すばらしい理事になるだろう」と述べた。ムーア氏は2月中旬、朝日新聞の取材に、「大統領も同意してくれると思うが、私の信念は、FRBは利上げではなく利下げをすべきだということだ」と述べていた。
トランプ氏は昨年、米景気の過熱を防ぐために利上げを続けてきたFRBに「狂っている」などと異例の批判を重ね、年末には議長であるパウエル氏の解任観測まで浮上した。FRBは昨年末時点で19年中に2回の追加利上げを見込んでいたが、19年に入ると利上げを一時停止する緩和方向の政策に大きく転換。しかし、ムーア氏は「まだFRBは引き締めすぎだ」と語っていた。
理事の定員は7人で、就任には…