住宅設備大手、LIXIL(リクシル)グループの首脳人事を複数の英米の機関投資家が疑問視している問題で、LIXILに臨時株主総会の開催を求めた英投資会社マラソン・アセット・マネジメントの日本担当が22日、朝日新聞のインタビューに応じた。役員人事を決める指名委員会の委員として、自らを会長兼CEO(最高経営責任者)に選んだ潮田洋一郎氏らを「ガバナンス(企業統治)を大きく踏みにじる違反をした人間がリーダーになっている」と痛烈に批判し、「ガバナンスの不全を正す」と訴えた。
マラソンの日本調査担当の高野雅永(こうのまさなが)氏が取材に応じた。LIXILは役員人事を指名委員会が決める「指名委員会等設置会社」。昨年10月末、「プロ経営者」の瀬戸欣哉氏がCEOを退き、創業家で取締役会議長だった潮田氏が会長兼CEOに、社外取締役だった山梨広一氏がCOO(最高執行責任者)に就く首脳人事を発表したが、この人事について「唐突感があり、異例だ」「利益相反の可能性が高い」と指摘した。
高野氏によると、マラソンは首脳交代の理由の説明や取締役会の議事録開示をLIXILに要求。LIXILは昨年12月に機関投資家向けの説明会を開き、「瀬戸氏の能力不足」と首脳交代の理由を説明した。
だが、今年2月に公表した第三者による調査報告書で、潮田氏が指名委員会を招集した際、瀬戸氏がCEO辞任の意思を固めていると説明したことが明らかになった。報告書は要約版しか公表されておらず、説明の変遷や不十分な情報開示の姿勢に「不信感を持った」という。
日本では、企業経営の執行と監…