2016年の米大統領選でロシアが介入したロシア疑惑。捜査が終結し、マラー特別検察官から捜査報告書の提出を受けたバー司法長官が24日、その概要を公開しました。焦点となっているトランプ氏陣営とロシアの共謀があったかについては、「証拠はみつからなかった」としています。そもそもロシア疑惑とはどんな内容で、何が問題なのでしょうか。要点をまとめました。
トランプ陣営とロシアの共謀、認定せず 特別検察官
(1)ロシア疑惑って何?
大きく二つあります。
一つが、2016年大統領選でロシアとトランプ陣営が共謀して、トランプ氏の対立候補だった民主党のヒラリー・クリントン候補の不利な情報を不正に手に入れた疑いです。
もう一つが、トランプ氏がこの疑惑を捜査していた連邦捜査局(FBI)のコミー長官らに捜査中止の圧力をかけた疑いです。コミー氏は2017年5月、トランプ氏によって突然解任されました。司法省は同月、元FBI長官のロバート・マラー氏を特別検察官に任命。ロシアとトランプ陣営の共謀があったのか、マラー氏の捜査が始まりました。この捜査は、結果次第ではトランプ氏の大統領弾劾(だんがい)につながる可能性もあるとみられ、国内外から注目されてきたのです。
(2)疑惑の発端は?
2016年7月、クリントン陣営の幹部のメールが、内部告発サイト「ウィキリークス」に大量に暴露されました。流出したメールには、民主党全国委員会(DNC)の幹部が民主党の候補者指名をめぐってクリントン氏と争ったサンダース上院議員を批判する内容などが含まれていました。この流出で、DNCのトップは辞任し、クリントン氏には大打撃となりました。この流出したメールをめぐって、ロシアがハッキングした疑いが浮上したことが、そもそもの発端です。
(3)ロシアは大統領選に介入したの?
マラー氏はロシアが選挙に介入したと断定しています。
2018年2月には、16年大…