アラブ連盟(21カ国・1機構)は3月31日、チュニジアの首都チュニスで首脳会議を開き、イスラエルが占領するゴラン高原をめぐり米トランプ政権がイスラエルの主権を認めたことに対し、「中東での緊張を高め、地域の平和実現に向けた努力を中断させる行為である」と非難する共同宣言を出した。
緊迫するゴラン高原 イスラエル「レッドライン越えた」
アラブ連盟のアブルゲイト事務局長は首脳会議後の記者会見で、「米国の決定は完全に無価値だ」と訴えた。サウジアラビアのサルマン国王は会議で「ゴラン高原においてシリアの主権を害するどのような手段も拒絶されるべきだ」と述べ、シリア内戦では敵対してきたアサド政権を擁護する姿勢を見せた。連盟は今後、国際司法裁判所に対して米国の決定について意見を求め、国連安保理にも米政権の決定に反対するよう働きかけを行うという。
ただ、サウジをはじめ湾岸諸国やエジプトなど、アラブ連盟には米国と同盟関係にある国や援助を受ける国も多い。対イランで米国と足並みをそろえる国は関係悪化を望んでおらず、宣言にどこまで実効性があるかは不透明だ。
トランプ政権がエルサレムをイ…