半導体大手ルネサスエレクトロニクスは、米国の同業大手インテグレーテッド・デバイス・テクノロジー(IDT)の買収を3月30日(日本時間)に完了し、発表した。買収額は約63億ドル(約6930億円)。昨秋に買収を発表し、今年前半に手続きの完了をめざすとしていた。
ルネサスは、通信用半導体が得意なIDTを完全子会社にすることで、自動運転向けの技術の充実を図る。呉文精社長は同日、「成長著しいデータエコノミー(社会の膨大なデータを競争力に生かす経済)関連市場でのリーダーとしての地位を強化する」とのコメントを出した。
ルネサスは日立製作所、三菱電機、NECの半導体事業が前身で、2010年に発足。自動車用の半導体で世界有数のシェアを持つ。企業合併・買収(M&A)を進めており、17年には電源制御用などの半導体をつくる米インターシルを約3300億円で買収した。(大宮司聡)