ピンポーン。せっかく荷物が届いても、家には誰もいない。配達業者が荷物を持ち帰らざるを得ない「再配達」は、今や業界の人手不足にも拍車をかける社会問題だ。
知っとこ!DATA 数字からトレンドを読み解く
国土交通省の調査によると、2017年度の宅配便の取り扱い個数は前年度より約6%増えて42億個を突破。ネットでのショッピングの拡大もあって、右肩上がりで増え続けている。
また、同省が昨年10月に大手宅配3社の荷物約240万個をサンプル調査したところ、15・2%が再配達の対象に。単純計算すると、全国で年間6億個以上にのぼることになる。
これを削減する手段として期待されているのが「置き配」のサービス。宅配ポストがなくても、同じような荷物の受け取りが可能になる。
ベンチャーのYper(イーパー、東京都渋谷区)が昨年9月に販売した置き配用バッグ「O(オ)KI(キ)PPA(ッパ)」は、半年間で6千世帯に普及。広げると32cm×46cm×29cmの箱がすっぽりと入るほどのサイズになり、鍵がかけられる。不在時には、このバッグの中に荷物を入れて配達を完了する。
同社は日本郵便と手を組み、昨年12月に東京都杉並区の1千世帯を対象に実証実験。再配達を最大61%減らすことに成功した。減らし切れなかった分は、冷蔵や冷凍が必要な食料品やバッグに入らない大型の荷物だったという。
Yperの担当者は「無料で何…