狙った遺伝子を改変できる「ゲノム編集技術」で遺伝子を操作した人間の受精卵を子宮に戻すことについて、政府は15日、法規制を検討する方針を明らかにした。政府の生命倫理専門調査会の意見も踏まえ、厚生労働省を中心に検討し、秋ごろ同調査会に報告する。
ゲノム編集は、重い遺伝病の治療などに役立つと期待される。一方、現在の技術では狙いと別の遺伝子を改変することがあり、受精卵に臨床応用すれば健康被害が起こりうる。改変の影響は子孫にも受け継がれる。
日本は、基礎研究については指針で、子宮に戻すことを禁じている。一方、医療行為として子宮に戻すことは指針の対象外だ。日本同様、指針で規制していた中国の研究者が、ゲノム編集で受精卵の遺伝子を操作し、双子を誕生させたと昨秋発表し、国際的に批判を浴びた。
この日の生命倫理専門調査会の…