2020年の米大統領選に向け、マサチューセッツ州のビル・ウェルド元知事(73)が15日、共和党の候補者指名争いに立候補することを表明した。トランプ大統領に挑戦する同党の候補者は初めて。再選を目指すトランプ氏の圧倒的な優位は変わらないが、さらに別の挑戦者を誘う引き金になる可能性がある。
ウェルド氏はこの日、CNNの番組で「過去2年間、ホワイトハウスがやってきたことがさらに6年間も続くなら、政治的な悲劇だ。私は共和党を心配している」とトランプ政権を批判し、トランプ氏に挑戦する考えを明らかにした。
ウェルド氏は1991年から6年間、民主党の強い同州で共和党知事として2期務めた。その後、同州から上院選に出たが敗れた。16年には、政府の役割の極小化を求めるリバタリアン党に在籍していた。
トランプ氏は共和党内で90%近い支持率を維持している。また、15日には1~3月に約3千万ドル(約33億6千万円)もの政治資金を集めたことを発表。民主党候補者でもっとも集めたサンダース上院議員の約1800万ドルの倍近くを集めるなど、圧倒的な強さを誇っている。
共和党ではこのほか、前回の大統領選にも立候補したケーシック前オハイオ州知事や、ホーガン現メリーランド州知事の出馬が取り沙汰されている。(ワシントン=土佐茂生)