5千円を超えた分の料金は5割引き――。「55(ゴーゴー)割」と呼ばれる、大阪のタクシーの遠距離割引サービスが、曲がり角を迎えている。業界内の激しい競争を背景に広がったが、見直す会社が出てきたのだ。郊外住まいの「酔っ払い」の足はどうなるのか。 4月中旬の週末夜。大阪市の繁華街・北新地近くのタクシー乗り場に、順番を待つ列が出来ていた。大阪府箕面市の自宅に帰るという50代の男性は、55割のタクシーによく乗る。「大阪の文化。大阪以外の人に話すと驚かれる」。同じ列に並んでいた運送会社を経営する男性は「従業員を遠くに送る時は、5割引きがあるか毎回確かめて乗る。無くなったらめっちゃ困る」と話した。 55割は、タクシーの台数を増やす規制緩和が行われた2002年ごろから広がった。単価の高い遠距離客に乗ってもらうためだ。全国ハイヤー・タクシー連合会によると、東京や横浜では「9千円超分を1割引き」、名古屋で「5千円超分を1割引き」などがあるが、大阪の割引率は群を抜いている。かつて初乗り500円の「ワンコイン」が存在感を示すなど、業界内の競争が激しかったことが背景にある。 この55割を見直す動きが出始めた。 大阪市住之江区のタクシー会社… |
「郊外の酔っ払いの足」曲がり角 タクシーの「55割」
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