名古屋を代表する地域と言えば、栄(さかえ)だろう。「テレビ塔」はあるし、歓楽街の錦(にしき)三丁目(錦三(きんさん))も近い。400年の歴史を誇るその街が、姿を変えようとしている。再開発が目白押しで、中日新聞社も一等地のビルを超高層に建て替える。となれば、話を聞きに行くしかない。中日新聞の社長に。
幼少期のことだから記憶は定かでない。ただ、中部日本ビルディング(中日ビル)の最上部にあった回転レストランに驚き、ミックスサンドを食べたことは心に焼き付いている。
「レストランが回ることにわくわくしているだけだった」。そう語るのは、中日新聞社の大島宇一郎社長(54)だ。地上から約50メートル、床の回るレストラン。高層建築の少なかった当時、名古屋の街を一望できる光景が大島少年をとりこにしたのは想像に難くない。
グループが所有するビルは3月…