2016年の米大統領選でロシアがトランプ陣営に肩入れして介入した「ロシア疑惑」で、マラー特別検察官がまとめた捜査報告書が18日、公表された。焦点になっているトランプ大統領の司法妨害疑惑について、トランプ氏があの手この手で捜査を止めようとした実態が明らかになった。マラー氏は司法妨害の有無の判断は見送ったが、今後の追及は議会に託すと明記した。(ワシントン=渡辺丘、土佐茂生)
特集「トランプ王国」熱狂のあと
448ページに及ぶ捜査報告書のうち、マラー氏は約130ページを割いて、10件の司法妨害疑惑を詳述。トランプ氏が大統領就任直後から、捜査当局に圧力をかけて捜査を止めようとした実態を明らかにした。
司法妨害疑惑の中で最も注目されるのは、コミー前連邦捜査局(FBI)長官に元側近への捜査中止を要求し、解任したことだ。元側近とは、フリン元大統領補佐官=虚偽供述罪で起訴=で、大統領選後に駐米ロシア大使と対ロ制裁緩和について協議したため、捜査対象になっていた。
報告書によると、トランプ氏は…