住宅設備大手LIXIL(リクシル)グループの首脳人事をめぐる混乱は、創業家の潮田(うしおだ)洋一郎会長兼CEO(最高経営責任者)が退任を表明する事態に発展した。潮田氏は18日の記者会見で、CEOへの復帰をめざして経営陣の刷新を迫る瀬戸欣哉(きんや)氏の経営手腕を痛烈に批判した。自らの地位をなげうってでも瀬戸氏の「復権」を阻止する意図が透けて見える。
LIXILはこの日、ビルの外壁材などをつくるイタリアの子会社、ペルマスティリーザ社の経営不振による大幅な業績下方修正も発表した。潮田氏は会見で「今回の大きな赤字は前任者がもたらしたものだ」と述べ、自ら社外から呼び寄せた「プロ経営者」の瀬戸氏の経営責任に言及。「取締役を37年間続けてきた。いろんなことがあったが、瀬戸さんを起用したことは最大の失敗だ」と切って捨てた。瀬戸氏の高額報酬にも触れ、「赤字を招いた責任をどう考えているのか。大変いぶかしく感じている」と皮肉たっぷりに語り、「復権」に疑問を呈した。
後任のCEOについては「元気のいい若い人に後の(会社の)成長を託すのがふさわしい身の処し方」と述べる一方、「『アドバイザーになれ』と言われるかもしれない」とも語り、引き続き経営に関与する考えものぞかせた。
社長兼COO(最高執行責任者)の山梨広一氏は、6月の定時株主総会まで取締役を続ける考えを示した。山梨氏は「グループ全体の再建計画を完成させてリードするのがCOOの役割」と述べた。経営の継続性などを理由に執行役を続けるよう求められれば、受諾を検討する考えも示した。
CEOへの返り咲きを目指して…