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減る白髪染めの売り上げ 加齢受け入れ「グレイヘア」

加齢につきものの白髪。染めるか、染めないかは人それぞれですが、高齢化が進む一方で白髪染めの売り上げは年々減っています。


大阪府堺市の和田浩恵さん(49)は肌のかぶれに悩み、5年ほど前に白髪染めをやめた。当時は年齢を超越した若さや美しさを誇る「美魔女」など、アンチエイジングがもてはやされていた。「世の中の正反対を歩いているようで……」と、家にこもりがちだった。


世の中の雰囲気が変わったのは、2017年ごろから。白髪と肯定的に向き合うブログや本が登場し、フリーアナウンサーの近藤サトさんなど白髪を隠さない著名人が増えてきた。「グレイヘア」は18年の新語・流行語大賞にもノミネートされた。


和田さんも外に出るのに抵抗がなくなり、昨年10月には白髪を染めない女性の会「グレイヘア大阪」を立ち上げ、仲間と交流を始めた。アレルギーなどによる頭皮トラブルを我慢してまで染め続ける人もいるが、「無理しなくても、顔とバランスが取れた『年相応』でいいんじゃないかと思う」。


グレイヘアの流行だけでなく、美容院でのカラーリングが安価になったことや家での白髪染めを面倒だと思う人が増えたことなどで家庭用の白髪染めの売り上げは減っている。市場調査会社インテージの調べでは、18年は直近のピークだった10年と比べ、約15%減った。


花王による男女を対象にした調査では、白髪が気になる期間は主に30代後半から30年以上。だが、定年や離職など生活が変わる60歳前後から白髪染めの割合が減る傾向がみられる。一般的なカラーリング剤では肌に合わない人がいる一方、肌への負担が少ないカラートリートメント剤では色が定着しにくかったりと、消費者のニーズに応えきれていなかったという。


メーカーも敏感に反応している。花王は昨年、「次世代型の白髪ケア」と銘打って11年ぶりとなる新ブランド「Rerise(リライズ)」を打ち出した。天然由来の着色成分で髪を傷めずに色を変えられるとアピールし、黒染め用だけでなくグレイヘア用も展開。税込み価格が2900円前後と従来の2倍以上するが、すでに想定を3割上回る売れ行きだという。(金本有加)


花王の「Rerise」は、シャンプー後に塗って5分ほどおき、すすぐことを繰り返して使うクリームタイプの染毛料。グレイヘア用は髪を真っ黒に染めるのではなく、黒みを補って白髪の色を自然に整える。不均一な白髪や黄ばみに悩む人向け。(知っとこ!DATA)


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