小林製薬(大阪市)のトイレ用洗浄芳香剤「ブルーレット」が今年6月、発売50周年を迎える。水洗トイレの普及とともに売り上げを伸ばし、少しずつ形も進化。この分野で圧倒的なシェアを誇ってきたが、タンクのないトイレの登場で流れが変わりつつある。
初代は水色固形タイプ
初代は1969年6月に売り出された。水色の色素を加えた固形タイプ。トイレのタンク内につり下げ、水に浸して使う。当時は一般社員だった小林一雅・現会長(79)が留学先の米国でトイレに青い水が流れるのを見て、衝撃を受けたのが開発のきっかけだ。当初は日本に水洗トイレが少ないため販売は苦戦したものの、公団住宅の開発などで70年代後半には水洗化率が5割近くまで高まった。
タンクの上部に手洗いがついたトイレが増えると、86年には「ブルーレットおくだけ」を発売。名前の通り、手洗い部分におくだけで使える手軽さから大ヒットした。やがて、固形よりも洗浄力が高いとされる液体タイプが主流になる。90年代からは「(便や尿の色と区別できて)健康状態がよくわかる」という理由で、無色のブルーレットが支持されていった。
同社によると、2018年のブルーレットの出荷数は1億個を超え、トイレ用洗浄芳香剤市場でのシェアは76%にのぼる。日本のトイレで少なくとも4割使われているとの推計だ。18年の売上高は176億円で、6年連続の増収だ。
「製薬会社の強みを生かして何…