国際結婚が破綻(はたん)した時などの、子どもの扱いのルールを決めた「ハーグ条約」が日本で発効して5年。子どもの引き渡しについて定めた実施法と、国内の離婚にも同様の規定を盛り込んだ改正民事執行法が10日、国会で可決・成立した。一方、条約には面会交流に関する規定もあるが、国内の離別については法整備が進んでいない。国を相手取った訴訟も起こされている。
離婚での子の引き渡し、同居の親不在でも可能に
東京都内の40代女性は9歳の娘と3年5カ月にわたって引き離され、現在も2カ月に1回しか会えない。
結婚中は、元夫からの家庭内暴力(DV)に悩んでいた。娘が3歳になる直前、「レストランで誕生日会をしよう」という理由で誘われて出かけたところ、元夫は娘を連れ去った。女性も離婚届へのサインを求められ、応じざるを得なかった。
女性が調停を申し立てて離婚は…