過激派組織「イスラム国」(IS)は15日、系列のアマク通信に声明を出し、パキスタンに「パキスタン州」の設立を宣言した。ISは10日にもインドでの州設立を宣言した。活動拠点としたイラクとシリアで続く掃討作戦で追い込まれる中、南アジアでの影響力を誇示する狙いとみられる。
ISは15日の声明で「パキスタン州」という言葉を初めて使った。パキスタンと隣国アフガニスタンではISに忠誠を誓う武装勢力が2015年ごろからテロを頻発させ、自分たちの組織を「ISホラサン州」と名乗った。ホラサンとは、パキスタンからイランにかけての地域のことだ。国連は同組織の勢力を2500人から4千人と推定する。
ISは今回の声明で「ホラサン州」からパキスタンを分離して「州」に「格上げ」し、パキスタンでの活動を重視する姿勢を示した格好だ。
ISは先月29日、最高指導者アブバクル・バグダディ容疑者とする男の動画を公開し、男は直前に起きたスリランカの連続爆破テロを称賛した。また、今月10日に出した声明ではインドに「ヒンド州」の設立を宣言。南アジアに向けた発信を増やしている。(イスラマバード=乗京真知)