打倒、まな弟子の世界王者――。ノルディックスキー・ジャンプで、46歳になってなお飛び続ける葛西紀明(土屋ホーム)が例年以上に意欲的だ。昨季は監督を兼ねる所属先の小林陵侑(りょうゆう、22)が躍進する一方で、自らは思うように飛べなかった。その葛藤にどう、折り合いをつけているのか。
「(俺が)一番だ!」。23日に公開した恒例の沖縄・宮古島合宿。朝6時45分からのランニングで、葛西の声に気合がほとばしった。浜辺を約20分走った終盤、ひとりペースを上げて抜け出る。右の人さし指を突き上げ、報道陣の前を通り過ぎた。
13日から始まった宮古島合宿は朝、午前、午後、夜と練習が4部ある。今年は取り組む姿勢がいつもと違う。昨季のワールドカップ(W杯)。才能にほれてスカウトした小林陵が日本男子初の総合優勝を果たした一方、自身は総合37位。1999年から10大会連続で出ていた世界選手権の代表も逃した。
昨季の終盤には「お前、勝ちす…