欧州に拠点を置く自動車大手の仏ルノーと欧米大手のフィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)が、経営統合に向けて動き出した。ルノーが連合を組む日産自動車と三菱自動車を含め、日米欧のメーカーが集う巨大な「世界連合」をつくり、巨額の資金が必要な次世代技術の開発などで競争力を高めることをねらう。統合が実現すれば、経営の自主性にこだわってきた日産の経営が変化を迫られるのは避けられそうにない。
「急速に変化する自動車業界において、電気自動車(EV)や自動運転を含めた技術変革を牽引(けんいん)するグローバルリーダーになる」
FCAは27日、ルノーに経営統合を提案したことを公表し、統合の狙いの一つをこう説明した。
両社が統合交渉に入ることを決めた背景には、将来への共通した危機感がある。排ガス規制が強まる欧州を中心にEVの開発に対する期待が高まっており、通信技術と融合した「コネクテッドカー」や自動運転技術の開発競争も激しい。米グーグルや配車サービス大手の米ウーバー・テクノロジーズなど、自動車業界の枠を超えた主導権争いが熱を帯びている。
ルノーはEVでは欧州で強みを…