米首都ワシントンの上空を爆音とともに戦闘機が旋回――。トランプ大統領とポーランドのドゥダ大統領がホワイトハウスで会談した12日、ポーランドが米国から購入を決めた最新鋭ステルス戦闘機F35を、ホワイトハウスの上空に飛ばすという演出があった。トランプ氏は「世界でもっともすごい戦闘機だ」と胸を張った。
同日午後2時ごろ、米海兵隊のF35が1機、ホワイトハウスの真上を、東から西の方向へ高速で飛び去った。さらに旋回した同機は、今度は南から北の方向へ、垂直着陸もできる性能を使って低速で通り過ぎた。トランプ氏はメラニア夫人や、ドゥダ大統領夫妻とともに、庭でその様子を眺めたという。
トランプ氏は直後の記者会見で「最先端のF35が、ホワイトハウスの真上で止まりそうに飛んでいくのを目撃した」と強調。その上で「(ドゥダ氏に)『あの戦闘機は大丈夫か? 遅いぞ』と言ったんだ。でも、これはすごいことなんだ。あれは垂直に着陸もできる。そんなことができる世界でも数少ない戦闘機の一つなんだ」と語った。
「バイ・アメリカン(米国製品を買おう)」と訴えるトランプ氏は、米国製の戦闘機が売れたことを示すために、わざわざF35を飛ばした。真っ昼間の首都に、F35の爆音が鳴り響いたために、市民はSNSで写真を投稿したり、何が起きたのかと驚いたりしていた。
F35に関しては、日本は42機の導入が決まっており、さらに約1兆2千億円をかけて計105機を追加購入する予定だ。先月来日したトランプ氏は神奈川県の海上自衛隊横須賀基地で「同盟国の中で日本が最大規模のF35戦闘機群を持つことになる」と語っている。(ワシントン=土佐茂生)