経営再建中の液晶パネル大手ジャパンディスプレイ(JDI)は14日、出資の受け入れ交渉をしている中国・台湾の企業連合から、出資の可否について通知を受けていないと発表した。中台連合が14日までに出資の実行に必要な手続きをとると説明していた。中台連合から出資を受ける計画に狂いが生じれば、再建の行方は一段と不透明になる。
中台連合が条件を変えずに出資を正式決定した場合、JDIは決定内容を速やかに開示するとしている。一方、条件変更などがあった場合は、関係者と再協議し、協議の結果を開示するという。
JDIは4月、中台連合から最大800億円の金融支援を受けると発表した。中台連合に420億円分の株式と、株式に転換できる社債180億円分を買ってもらい、JDIが資金需要に応じて転換社債200億円分を追加で発行する予定だった。最大800億円の金融支援のうち、中国の大手投資会社ハーベストグループが407億円、台湾の電子部品大手TPKホールディングが251億円、台湾の投資ファンドCGLグループが142億円を出す予定だったが、JDIの経営が想定以上に悪化していることなどから、各社が出資の正式決定を先送りしていた。
JDIは2019年3月期決算で5年連続の赤字を計上。債務超過寸前まで財務が悪化しており、中台連合の支援の可否が再建の行方を大きく左右する。(高橋諒子、笹井継夫)