トランプ米大統領は21日、国防長官代行に24日付で就任するマーク・エスパー陸軍長官を国防長官に指名する方針を表明した。就任には米議会上院の承認が必要になる。イランとの緊張が高まる中、国防トップの長官が半年近く不在という異例の状態を早期に是正する必要があると判断したとみられる。
エスパー氏は1986年、米陸軍士官学校を卒業し、湾岸戦争にも参加した。議会スタッフや国防次官補代理を務めた経験もある。近年は、米大手防衛産業レイセオン社で対政府関係などを受け持つ幹部を務めた。2017年11月に陸軍長官に就任した。
イラン情勢では、米国の無人偵察機が撃墜されたことへの報復攻撃をトランプ氏が20日に承認し、攻撃直前に撤回するなど、一触即発の状態が続く。米紙ニューヨーク・タイムズによると、エスパー氏も同日のホワイトハウスの高官会議に出席していたという。
ホワイトハウスは5月、シャナハン長官代行を長官に指名する方針を発表したが、シャナハン氏は今月18日、家庭の事情を理由に指名を辞退した。トランプ氏は後任のエスパー氏を「傑出した男」と評価し、「間違いなく素晴らしい仕事をするだろう」と述べた。(ワシントン=渡辺丘)