沖縄県沖縄市の「沖縄こどもの国」から逃げ出したサル14頭が29日、全て捕獲された。園は事態が発覚した27日から臨時休業し、職員50人に警察、消防、沖縄市職員を加えた総勢100人態勢でサルの行方を追っていた。
逃げ出したのは、園内で飼育しているニホンザルの亜種ヤクシマザル(ヤクザル)。飼育スペースが改修工事中だったため、別の場所で飼育していた。園によると、鍵の閉め忘れが原因だという。
捕獲チームは27日に4頭、28日に6頭を発見。29日も朝から捜索を続け、午前7時38分にクマ舎近くで「せん」(1歳メス)をまず確保。1時間後、せんの母の「ちひろ」(7歳メス)を飼育スペース前で、さらに昼までに駐車場で「さばはる」(3歳オス)を確保した。最後の1頭となった「おはぎ」(8歳オス)は沖縄市の南隣の北中城村まで逃げていて、住宅や林が点在する場所で確保したという。
園のこども未来課の高峯きよ子さん(35)によると、サルは木のてっぺんから根元まで走り回ったかと思えば、隙を見せた瞬間に草むらに入って雲隠れ。普段は群れで行動するだけに、方々に散った今回は捜索が難航したという。「不安な気持ちにさせて申し訳ありませんでした。多くの方にご不便とご迷惑をおかけし、大変申し訳なく思っております。ただ、お猿にも人にも被害がなくてよかったです」と語った。
園は30日から通常通り営業する。(棚橋咲月)