集団生活をするハダカデバネズミは巣の中で、仲間の足ならぬ尾を引っ張り、仕事の邪魔をする――。そんな生態を総合研究大学院大などの研究チームが見つけた。妨害の理由ははっきりしないが「集団のために自分が働きたくて仕方ない、という行動の傾向が影響しているかもしれない」と説明している。
東アフリカの地中で暮らすハダカデバネズミは、最大200匹にもなる集団で生活し、女王と繁殖のためのオスのほかは、繁殖せずに仕事を続ける「ワーカー」が大半だ。ワーカーが中心となって仲間と協力しながら、穴掘りや掃除、子育てなどをしている。アリやハチなどの昆虫にはいるが、繁殖をせずに集団のために働き続ける哺乳類は珍しい。
研究チームは三つの巣からハダカデバネズミ31匹を集め、同じ巣に属する4匹を300個のプラスチック片の入った飼育スペースに入れて計75時間観察した。すると、ハダカデバネズミはプラスチック片を取り除こうと掃除を始めるが、一緒に働こうとする仲間の尾を引っぱり、部屋から排除する妨害行為が138回見られた。よく働く個体がいる部屋で多く起きていた。
働こうとする女王をワーカーが…