保険の不適切販売が見つかったかんぽ生命と日本郵便に対し、不信と不満が広がっている。かんぽ株は11日、前日に続き上場来安値を更新し、株式市場の信頼を取り戻せない。混乱を抑えるためか、日本郵便は同日、内部告発などを牽制(けんせい)する通知を郵便局員に出したが、従業員からは「締め付けだ」と不満の声があがる。
「現場の声が経営陣にまったく届かないからやむを得ず社会へ訴えている。処分すると脅すのは本末転倒なしめつけだ」。40代の郵便局員がこう憤るのは日本郵便が11日に出した通達だ。
「ソーシャルメディアへの機密情報などの書き込み禁止及びマニュアル改正」と題する文書。局員らが社内文書や会議・研修資料の内容をSNSなどに書き込む行為を禁じると強調した。
「ただでさえ売れない商品なのに今こんな状況で売れるわけないだろ」「こんな状況でも郵便局は変わらない異常さ」。こうした内部関係者とみられる書き込みがSNSなどで広がり、通達は「昨今、社員による機密情報などの書き込みが多発し、その対応に多大な時間を要している」とする。マニュアルを改定し、SNSなどへの機密情報書き込みは「厳禁」と明確化。勤務中は「職務専念義務違反」、勤務時間外も「信用失墜行為に該当」という。
■現場「何も変わってい…