仮想通貨の名称を「暗号資産」に変え、規制も強化する改正資金決済法などが31日成立した。これまで規制を強めるたびに相場が冷え込んだが、4月以降は再び取引が活発に。顧客資産の不正流出が相次いだだけに、法改正を機に、業界が信頼回復を進められるかが取引拡大のカギになる。
「健全な市場が整備されれば、機関投資家の参入を含め市場が広がる」。交換業者ビットポイントジャパンの小田玄紀社長は31日、こうコメントした。
法改正の背景にあるのは近年相次ぐ顧客の資産流出事件だ。業界団体の日本仮想通貨交換業協会が昨春に生まれ、昨年10月には法改正を見据えた自主規制ルールを設けた。各社はこれに沿って対応を進めている。
不正流出を昨年起こした交換業者コインチェックを買収したマネックスグループの松本大社長は「ハッカーは弱いところをつけねらう。業界上位の安全対策をとり続けることで、預かった資産を守る」と顧客保護に力を入れる考えを示す。
代表的な暗号資産ビットコインは、2017年末に1ビットコイン=200万円超の最高値をつけた。規制強化や不正流出で、昨年末には30万~40万円ほどに低迷。今年4月以降は急上昇し、5月末には90万円台に回復した。松本氏は最近の値上がりを「海外の機関投資家の動きがある」と言う。米中貿易摩擦で先行き不透明な株式市場から資金が流れているとの見方だ。
政情不安のベネズエラなど自国…