福岡市で開かれていた主要20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議は9日、「何よりも、貿易と地政学的リスクが高まっている。これらのリスクに対処し続けるとともに、更なる行動をとる用意がある」との共同声明を採択して閉幕した。エスカレートする米中貿易摩擦を念頭に置いた表現で、世界経済の先行きへの警戒は強まっているとの一致した認識を示した。
会議では、「米中間の貿易摩擦による危機を避けたい。これは非常に長く、深い、負の影響を経済成長に与える」(フランスのルメール財務相)などと、各国から米中貿易摩擦が経済の押し下げ要因となる可能性への「懸念」が相次いだ。
共同声明に盛り込んだ表現について、財務省幹部は「議論は色々あったが最終的に事実として米国は受け入れた」と語った。
これまでG20サミットでは基本的に、「保護主義と戦う」といった共通認識が共同声明に盛り込まれてきた。だが、昨年アルゼンチンのブエノスアイレスで開かれたG20サミットで米国側の反対により削除。今回のG20財務相・中央銀行総裁会議の共同声明でも盛り込まれなかった。
世界的な経常収支の不均衡につ…