英国紙「デイリー・ミラー」の今月8日の報道によると、「新型肺炎への懸念から、英国国民はパニック買いをするようになり、瞬く間に店のトイレットペーパーが売り切れた。イースト・ライディング・オブ・ヨークシャーのゲームセンターでは、オーナーのエディ・チャップマンさんが店の入り口にあるUFOキャッチャーの景品をトイレットペーパーに変えた。1回約40円でプレイできる」という。
異常なパニック買いに直面して、地方自治体の中には安穏としていられないところも出てきた。たとえば2月28日、日本政府は関連の業界団体と一緒に状況を説明し、国民に冷静な行動を呼びかけた。南アフリカ政府は現地時間の3月19日、「感染症流行中の価格詐欺を防止するため、トイレットペーパーやマスクなどの物品を対象に緊急の価格統制を行う」と発表した。
日本から欧米諸国まで、くまなくトイレットペーパー争奪戦が行われている。メディアが取材しても、誰が一番最初にパニック買いをしたのかわからず、「どうして慌てて買ってしまうのかよくわからない」という人が多かったが、スーパーで真っ先に空っぽになるのはいつもトイレットペーパーの棚だ。
「海外にいて、トイレットペーパーのパニックを実感した」
「最初の頃は他の人がトイレットペーパーを争って買っているのを見て、友だちと理解できないねと話していた。その後、周りの同僚がパニック買いをするようになった時も、友だちと一緒に馬鹿にして笑っていた。スーパーに行って自分の目でトイレットペーパーの棚がすっからかんになっているのを、初めてパニックを実感した。先々週に1パック買っておいて、本当によかったと思った」。こう話す薛■(女へんに捷のつくり)さんは今、英国で暮らしている。「周りの友だちも大体私と同じで、最初は他の人がどうしてパニック買いするのか理解できなかったが、売り切れの状況を見て慌てだした」という。
薛さんの目からみると、トイレットペーパーの買いだめでは、ほとんどの人が受け身で消費しており、薛さん自身も、「最初は本当は買おうなんて思わなかったが、今買わなかったら買えなくなると思った」のだという。
カナダに暮らす萌萌さんは「トイレットペーパーをめぐるパニック」を実感したという。これまでモノをストックする習慣がなかったところ、数日前にあやうく紙がなくなるところだった。
萌萌さんは、「スーパーに行って、本当にびっくりした。近くのスーパーは毎日店が開くと真っ先になくなるのはトイレットペーパーで、私も早起きして並び、4日目にやっと1パック買えた」と振り返った。
トイレットペーパー争奪戦が始まったばかりの頃、喜碧さんは日本の店で働いていた。当時、大勢の日本人客が早い時間に店にやって来て商品の入荷時間をたずね、入荷時間まで店の前で待っていたという。