中国科学院、国家自然科学基金委員会が発行する「科学通報」最新号は巻頭記事で、中国の科学者がこのほど黒竜江省中部の依蘭県で、新たな天体衝突跡「依蘭クレーター」を発見したとしている。これは遼寧省の岫岩クレーターに続く、中国で2番目に発見されたクレーターだ。中国新聞網が伝えた。
この天体衝突跡の重要な発見を盛り込んだ科学研究成果の巻頭記事は中国科学院広州地球化学研究所の陳鳴研究員の課題チームが作成した。共同著者は陳鳴氏、謝先徳氏、肖万生氏、譚大勇氏。彼らによると、依蘭クレーターは直径1850メートルで、お椀型の窪地になっている。深さは平均150メートルで、円弧形の山が形成されている。クレーターは花崗岩の上にあり、その縁と底に角礫の花崗岩が厚く蓄積している。クレーターの大半が森によって覆われており、クレーター内に充填されている花崗岩の角礫に鉱物衝撃変質の証拠があることから、このクレーターが衝突によって生じたことが分かる。
科学研究者の分析によると、依蘭クレーターには極めて珍しい地形的特徴がある。南の縁が大きく失われ、縁の体積2000万立方メートル以上の岩石が移動し、弧長2キロにわたり欠けている。縁の残りの弧長約3.8キロの部分は状態が良好。初期段階の研究によると、南の縁は第四紀末期に特殊な外部地質営力の方向性のある強い侵食作用及び移動作用を受けたとみられる。この外部地質営力は氷河の作用と関連している可能性が高い。第四紀に生じた天体衝突事件(その時期については分析中)によりこの巨大なお椀型のクレーターが生じた。その後クレーターは徐々に湖に発展し、さらにその後の特殊な外部地質営力の作用により南の縁の物質が強い侵食と移動を受け、現在の円弧形の山によるクレーターを形成したとみられる。(編集YF)
「人民網日本語版」2020年4月10日