火星探査は科学探査の性質が強いプロジェクトだ。そのため火星への到達は最終目的ではなく、到達後に有効な科学探査データをできる限り取得することが目標だ。中国火星探査任務プロジェクトの張栄橋チーフデザイナーによると、初の火星探査プロジェクトでは火星周回の探査機、火星表面を巡視する火星ローバーが使われる。探査機にはペイロードが7台、火星ローバーには6台搭載される。そして、以下のことを行いたい。
(1)映像資料の収集。これは最も基本的な作業で、到達後に現地の様子を確認するものだ。
(2)物質と元素の測定。火星の表面にはどのような物質があるか、その構成成分はどうなっているか。探査機にはマルチスペクトルカメラが搭載される。着陸機には速度均一のアナライザーが搭載される。
(3)環境の測定。探査機と火星ローバーに最も多く搭載される。電気、磁気、高エネルギー、中性のものなど。
(4)火星の内部を観測する。当然ながら深層はできないため、浅層の地質構造の状況に過ぎないが、これも注目されていることだ。火星の地層構造がどのようになっているか、水や氷が存在するかなど。そのため探査機と火星ローバーに表層を測定する探査レーダーが搭載されている。これに関する成果に期待している。
(5)気象がどのような状況になっているかを調べる。火星の砂嵐、火星の温度の変化が注目されている。今回は火星ローバーに火星気象測量装置が搭載される。風、温度、気圧を測定し、火星でどのような音があるかを確認できる。(編集YF)
「人民網日本語版」2020年4月28日