国家統計局が7日発表したところによると、算定された2019年の中国の「三新」経済の付加価値額は16兆1927億元(1元は約15.3円)に上り、国内総生産(GDP)に占める割合は16.3%で前年より0.2ポイント上昇した。市場価格で計算した増加率は9.3%で、同期の実質GDP増加率を1.5ポイント上回った。業界関係者は、「『三新』経済は中国経済発展の重要な構成要素になりつつあり、中国経済の回復好転情勢を支える非常に重要や役割を果たしている。勢いよく発展する新生の力として、『三新』経済は中国経済に新たな活力を注入している」と指摘した。
安定成長のための海を鎮める「定海神針」
新産業、新業態、新ビジネスモデルを中核内容とする経済活動の集まり、それが「三新」経済だ。
「三新」経済の「新」しさはどこにあるか。同局によると、新産業とは新しい科学技術成果、新興技術を応用して、一定規模の新型経済活動を形成するものを指し、具体的には新技術の応用の産業化が直接生み出した新産業、従来型産業が現代の情報技術を取り入れて形成した新産業などをいう。新業態とは多元化、多様化、個性化した製品・サービスへのニーズに対応し、技術イノベーションと応用をよりどころとして、既存の産業と分野の中から派生し積み上がっていく新たなプロセス、新たなチェーン、新たな活動形態を指し、具体的にはインターネットをよりどころに展開される経営活動などをいう。新ビジネスモデルとはユーザーの価値と企業の持続的な収益の目標を実現するために、企業の経営における各種の内外の要素を統合・再編し、高効率で独自の競争力を備えたビジネス運営モデルを形成することを指し、具体的にはインターネットと産業イノベーションを融合させ、ハードウェアとサービスに溶け込ませ、消費・娯楽・レジャー・サービスのワンストップ式サービスを提供することなどをいう。
同局発表のデータでは、19年の中国「三新」経済の付加価値額は緩やかに増加し、産業分類別にみると、「三新」経済の第一次産業での付加価値額は6685億元で、対GDP比は0.7%、第二次産業では7兆443億元で7.1%、第三次産業では8兆4799億元で8.6%となっている。
国務院発展研究センターマクロ経済研究部の張立群研究員は取材に答える中で、「『三新』経済の発展はイノベーションが駆動する産業構造と経済構造の積極的な変化であり、供給側構造改革の極めて積極的な成果でもある。2019年の『三新』経済の発展状況をみると、供給側構造改革の総合的効果がさらに顕在化し、『三新』経済の急速な発展は安定成長のための海を鎮める『定海神針』になっただけでなく、中国経済社会発展の新たな原動力にもなった」と述べた。