文化・観光分野の名所が目白押しの四川省成都・重慶エリアでは、新たな名所探しが多くの人の好奇心の的になっている。華西都市報が報じた。
「立体8D魔幻都市」の異名を持つ重慶の「マジック」のうち、ここ数年世界中の人々をあっけにとられるほど驚かせているのが、マンションを貫いて走る鉄道交通2号線・李子■駅(■は土へんに覇)だ。李子■駅が地上の「マジック」であるなら、地下の「マジック」は鉄道交通10号線の紅土地駅だと言えるだろう。
乗換駅である紅土地駅では、6号線と10号線が交わり、その最深部の深さは94.467メートルと、地下31階に相当する場所にある。
91基からなるエスカレーター網!
中国で既に開通している地下鉄駅の中で最も深い場所にある紅土地駅では、乗客はどのように地上とプラットフォームを行き来するのだろう?駅に入る時から説明すると、まず紅土地駅の3A出入口から入り、4基の長いエスカレーターに乗って、ようやく6号線の改札口までたどり着くことができる。所要時間は約4分だ。
10号線に乗る場合は、さらに下に行かなければならず、そこから3基の長いエスカレーターに乗って、やっと10号線の改札口にたどり着くことができる。
地上から10号線の改札口まで、エスカレーターだけでも7分間乗らなければならない。また、エスカレーター7基が完全につながっているわけではなく、別のエスカレーターに乗り換える際には、毎回少し歩かなければならない。
駅員によると、紅土地駅は重慶鉄道交通6号線と10号線の乗換駅で、エスカレーターが91基ある。中国国内でもまれに見るエスカレーター網が構築されているのだ。
直通エレベーターは地下29階相当
駅員は、「6号線の駅が2012年9月28日に完成して使用が始まったのに対して、10号線の紅土地駅は2017年に使用が始まった。乗客、特に、足の不自由な乗客も当駅を便利に利用できるように、直通のエレベーターも設置されている。その昇降路の深さはなんと78.7メートルで、地下29階に相当する。これも、中国の他の地下鉄駅のエレベーターと比べると、群を抜いている」と説明する。
これほど深い場所にある地下鉄駅について、乗客からはさまざまな声が寄せられている。
例えば、10号線の紅土地駅を初めて利用した湖北省の王さん(男性)は、「とても不思議な感じがする。下に行けば行くほど、ひんやりとした感じがした」と感想を漏らす。
また、重慶市江北区に住む于さん(男性)は、「エレベーターに乗って降りてくるたびに、ジェットコースターに乗った時のように、頭がくらくらする」と話す。
同じく江北区に住む彭さん(男性)は、往年のヒット曲「月亮代表我的心(月は私の心」の歌詞をもじって、「『どれほど深くあなたを愛しているか』と聞かれたら、『紅土地駅のような深さ』と答えるよ」とユーモラスに語った。(編集KN)
「人民網日本語版」2020年8月17日