大部分のショッピングセンターが新型コロナウイルス感染症からの回復基調にある中、一部の売り場では客が長い行列を作っていた。「涙のセール」会場ではなく、「これから値上がりするかもしれない」贅沢品の直営店でのことだ。中国新聞網が伝えた。
並んで並んで! 贅沢品店がまるで野菜売り場
働き始めて5年になる王薇さん(仮名)は、少し前に自分へのご褒美として贅沢品ブランドのリュックを買うことにした。そこで、8月初めの週末に北京にある贅沢品ブランドが集まる商業施設に行ってみると、多くの店で長い行列ができていた。
王さんは、「ルイ・ヴィトンの入り口で1時間近く並び、出てきた人を見ているとみんな大きいサイズの紙袋を少なくとも1つぶらさげていた。私が行った時はすでに遅い時間だったが、まだまだたくさんの人がいて『閉店時間を遅らせます』という放送が流れていた。並んでいる時に他の人から聞いた話では、週末はもちろん、平日でも、店に入るには並ばないといけないし、駐車場の出入りにも最低30分はかかるそうだ」と話した。
米ボストン・コンサルティング・グループがこのほど発表した「ファッションと贅沢品業界:ポストコロナの中国市場見通し」によると、「中国贅沢品業界の回復ペースが加速している。グローバルファッション産業の2020年減少幅は29-37%になる見通しだが、中国は年初の損失を挽回できるだけでなく、流れに逆らって最大で10%増加する可能性もあると予測している。
英サヴィルズがこのほど発表した「2020年中国贅沢品小売報告」によると、北京、上海、広州など6大主要都市のトップクラスの商業施設では来店客が2月に大幅に減少し、これまでの平均値に比べて約80%も減少したが、3月になると急速に回復して減少率は54%に縮小し、6月には平均値比1%増加を達成し、今年初めてプラスになった。
値上がりする一方!「明日になると4万7千円高くなる」?
贅沢品が流れに逆らって力強く回復できたのはなぜか。持続的な値上げが主な原因と考える人は多い。「値上がりしているものは買うが、値下がりしているものは買わない」という心理により、ある種の人々にとっては価格調整が消費促進の役割を果たすことになるからだ。