新型コロナの影響により、今年に入ってから世界の国境を越えた直接投資は大幅に減少し、中国もその影響を免れることはできなかった。しかし感染症予防・抑制と経済・社会発展の総括的推進の取り組みが重大な成果を上げるにつれ、中国の外資導入状況は徐々に回復していった。最新のデータをみると、今年1-8月の中国の実行ベース外資導入額は890億ドル(1ドルは約104.6円)に上り、前年同期比で0.3%減少したが、減少幅は月を追って縮小し、外資導入の状況は全体として予想よりも好調だった。
これまでに述べてきた外資導入データの変化から、中国が今なお世界の人気投資先の1つであることがわかる。これまでたびたび保護貿易主義の妨害を受け、さらに新型コロナの打撃を被ったものの、中国が長年にわたる発展の中で形成してきた整った製造業システム、優れたビジネス環境、高い競争力を備えた要素の優位性が、短期間で他のものに取って代わられることはあり得ない。上海米国商会が発表した最新の報告書では、米国企業のほとんどが引き続き中国市場を有望視し、調査に回答した企業の78.6%が「対中投資を移転させる予定はない」と答え、この割合は前年同期を5.1ポイント上回った。中国EU(欧州連合)商会の報告書も、EU企業の対中投資の状況は全体として安定し、中国以外への移転や投資計画の変更を検討している企業は約10%にとどまり、この割合は過去約10年間で最低だったとしている。
指摘しておかなければならないのは、現在の中国の外資導入状況はすでに新たなステージに入っており、イノベーションによる駆動戦略を実施する中で、外資導入を通じてグローバル資源、特にイノベーション資源の効率の高い配置を実現することが、中国のさらなる開放拡大と外資導入の新たな使命になるという点だ。こうした視点でみると、中国の外資導入はまだ大いにやりがいがある戦略的チャンスの時期にあるといえる。中国は、中国企業が海外に進出して海外市場を開拓するのを積極的に奨励する一方で、「放管服改革」(行政のスリム化と権限委譲、緩和と管理の結合、サービスの最適化)をさらに深化させて外資系企業が中国で発展するためのより優れたビジネス環境を構築している。「両輪駆動」でより高水準の開放型経済を打ち出すことが、これからも中国経済の長期的に変わることのない政策の基調になることは確かだ。(編集KS)
「人民網日本語版」2020年9月22日