中国の第3四半期(7-9月)の経済データが19日に発表された。商務部(省)国際貿易経済協力研究院国際市場研究所の白明副所長は19日に行われた中国新聞社国是フォーラム2020年第3四半期経済情勢分析会で、「新型コロナウイルス感染症の中、今年第1-3四半期の中国の対外貿易は大きな成果を上げ、4つの注目すべきポイントがあった」と述べた。中国新聞網が伝えた。
データをみると、1-9月期の中国の国内総資産(GDP)は前年同期比0.7%増加した。白氏は、「このデータは中国の対外貿易のデータとぴったり一致し、第1-3四半期の中国輸出入データも同0.7%増だった。この点から考えて、中国の対外貿易は中国経済の負担にはなっていない」と述べた。
白氏は、「目下の税関のデータをみると、中国の輸出入は相対的に安定した状態を維持したが、実際には、一年の最初の頃、中頃、現在では大きく状況が異なる。感染症が始まった頃、中国の企業活動・生産活動の再開は困難で、この時期に対外貿易は大幅に減少した。第2四半期(4-6月)になると、直面したより多くの問題は受注の減少だった。第3四半期(7-9月)には、中国の対外貿易の多くで後発組の優位性が発揮されるようになった」と指摘した。
白氏は、「過去3四半期を振り返ると、中国の対外貿易の最も主要な注目点は次の面に表れている」として、次の4点を挙げた。
(1)一般貿易の割合が上昇した。中国企業は世界の感染症対策に力を尽くしたと同時に、自国のためのビジネスチャンスも獲得した。また多くの国が感染症の中で、「おうち経済」を発展させたため、これに関わるタブレットコンピューター、携帯電話などの家電製品も急速に増加した。
(2)貿易の新モデル・新業態が活発で、特に第1-3四半期に税関の越境EC監督管理プラットフォームが統計を取った越境ECの輸出入は同52.8%増加した。
(3)中国の主要貿易パートナーがいずれも成長を達成した。今年第1-3四半期には、中国とASEANとの輸出入額は7.7%増、欧州連合(EU)は2.9%増、米国は2%増、日本は1.4%増、韓国は1.1%増だった。昨年の中国-ASEAN自由貿易圏の動きを受けて、今年はASEANがEUを抜いて中国の1番目の貿易パートナーになった。このほか、「一帯一路」(the Belt and Road)諸国との貿易の増加率が中国の対外貿易全体の伸びを上回った。
(4)購買担当者景気指数(PMI)が統計をまとめた新規輸出受注指数は9月に50.8%になった。今年初のプラスで、中国の対外貿易の業務が実際に回復したことを示しただけでなく、中国の対外貿易への信頼感も高めた。
白氏は、「中国に特有の総合的産業チェーンの優位性は他国にはないものだ。国際連合のまとめた統計では、工業分類をみると、中国は世界でただ一つ国連産業分類のすべての工業分類をカバーする国だ。中国の総合的産業チェーンの優位性は中国が感染症に効果的に対処するのを助けただけでなく、中国の対外貿易の受注にも新たな業務というチャンスをもたらした」と述べた。
白氏は今年の終わり頃から来年初めにかけての対外貿易情勢の判断について、「全体として好転している」との見方を示した上で、「現在、対外貿易の安定はまだ大きな成功を収めていない。現在、多くの国で感染症が大規模にぶり返している。ある程度の規模に達すると、外部ニーズが全体として縮小し、さらに一部の基本的な硬直的需要に影響を与えるとみられる。これと同時に、最近は人民元が上昇して、一部の企業に大きな圧力をかけている。対外貿易の発展は産業の技術的支えが必要であるだけでなく、相対的に安定した金融環境を維持することも必要だ」と述べた。(編集KS)
「人民網日本語版」2020年10月20日