天津市浜海新区は今月7日、山東省徳州市から、天津経由で海外から輸入した冷凍食品の外装サンプルから新型コロナウイルスが検出されたとの報告を受けた。その後、天津で積み卸ろしを担当していた作業員が新型コロナウイルスに感染していることが確認された。さらに、9日には、天津市で新たに無症状感染者が1人確認された。無症状感染者と判明したのは、トラックの運転手で、感染が確認された作業員が働いている冷凍庫で荷物を引き取っていた。現在、山東省徳州市、山西省太原市、河北省保定市など、関連の冷凍食品が流入した地域でスクリーニングが急ピッチで進められている。今年6月以来、少なくとも10省余りでコールドチェーンの冷凍食品から新型コロナウイルスが検出されている。
このような状況に関して、中国疾病予防管理センター・疫学首席専門家・呉尊友氏を取材した。
コールドチェーンが新型コロナウイルスの「潜伏場所」になっている理由は?
呉氏は、「寄生虫や細菌といった病原体と異なり、ウイルスは通常、温度が低くなるほど、生存時間が長くなる。例えば、液体窒素の中など、マイナス180度の環境では、ウイルスは数十年、ひいては100年以上生きる可能性もある。このようにコールドチェーン輸送の低温環境は、ウイルスが生存するのに適した環境となる」と説明する。
新型コロナウイルス感染拡大が深刻な地域の汚染された食品や外装などの物品がコールドチェーンを通して運ばれると、ウイルスも他の地域に入り込み、接触感染の原因となり、新たな感染拡大を引き起こす可能性がある。
冷凍海産品、または肉食品を通して新型コロナが中国に流入した可能性を示す証拠がますます増加
今年初めに湖北省武漢市で起きた爆発的感染を振り返ると、感染者は華南海鮮市場の冷凍海産品エリアに集中していた。それら手掛かりは、コールドチェーンを通して輸送された輸入の海産品を指し示しており、それが感染源となった可能性がある。そして、そのルートをたどっていくと、やはり多くの国から輸入された海産品が新型コロナウイルスに汚染されていたことが判明した。
このように冷凍の海産品、または肉食品を通して、新型コロナウイルスが中国に流入した可能性を示す証拠がますます増えている。(編集KN)
「人民網日本語版」2020年11月12日