FW柳沢と高原の2トップが、オーストラリア戦でゴールに襲いかかる。この日の公式練習で先発組に入った2人は、お互いの動きを見ながら連係を確認した。
心配された柳沢の右太腿裏の痛みは消え、テーピングも外した。9日にチームに合流していきなり紅白戦に出場したが、リバウンドはなし。「もう大丈夫です」と笑った。98年2月のAマッチデビュー戦の相手でもあるオーストラリアには01年8月の対戦で1ゴールを挙げており、その再現を狙うつもりだ。
一方の高原も右ひざ痛から練習に復帰して以降、状態は上がってきている。初のW杯の舞台に気合は十分だ。「いつも通り自分の持っているものを出せるようにやるだけ。自分にとって(出場できなかった)4年前は関係ない。今が大事」と力強い口ぶり。オーストラリア撃破に、日本最強2トップが燃えていた。
≪宮本 笑顔いいムード≫フェースガードの“バットマン”として名をはせた日韓大会から4年。今大会を前に「泰然自若」という言葉で平常心を強調していた主将は、ふだんと変わらぬ落ち着きぶりを見せた。「今回のほうが落ち着いている。いいイメージを持ってやりたい」。公式練習でのミニゲームでは笑いも起こるリラックスムードに包まれ「あれがこのチームのいいところ。あれこれ考えず、勝つことに集中したい」と穏やかな口調で話した。
≪三都主 苦手守備に自信≫苦手の守備にも自信を見せた。「オーストラリアが、どう攻めてくるかは頭に入れてあるし、十分やったと思う」と話した。ドイツ戦で2失点した苦手なセットプレー対策では、体に動き方が染みついてきたという。試合会場で行われた公式練習の締めくくりはFK練習。ゴールが狙えるエリアからのFKは中村が蹴ることが濃厚だが、それでも調整に余念がなかった。
≪駒野 まず守備から≫右足首負傷の加地に代わって先発予定だが、守備の意識を高めてチーム最年少選手はW杯初戦に挑む。「どのチームとやるときも同じですが、サイドを攻められないこと。相手トップに入った時の動きに気をつけたい」とFWビドゥカを中心とした攻撃を警戒していた。また、試合会場については「ピッチとスタンドの距離感を確認しました。芝は表面が少しぬれていて、根元が少し緩いですね」と話した。
≪中沢 「いつもと一緒」≫平常心でW杯に臨む。本番会場での初練習後も「全くいつもと一緒。変わりはないですよ」と平静を装った。平均身長で6センチも上回るオーストラリア相手に、高さ対策が必要となるが「背が高い、低いは関係ない。いかにボールを蹴らさないかですよ。ポジショニングが大事」。ビドゥカ、ケネディという世界でも屈指の大型FWを要する相手に、真っ向勝負を挑む。
スポーツニッポン 2006年6月12日