【タンパ(米フロリダ州)村田隆和】米大リーグのオープン戦は27日、大リーグ球団同士の対戦が始まり、ロッテからロイヤルズに移籍した薮田はレンジャーズ戦で初登板。八回に5番手としてマウンドに上がり、1回3安打2失点のデビューとなった。
フィリーズの田口はレッズ戦の五回に左翼の守備で途中出場。五回1死一、三塁で中前適時打を放ち、2打数1安打1打点で勝利に貢献した。
インディアンスの紅白戦は寒波の影響で中止となり、初登板の予定だった小林は29日のアストロズ戦に備え、室内で投げ込んだ。
◇無意識「指なめ」 早速、不正判定
5番手として八回に登板した薮田は、オープン戦初登板でいきなり球審に不正投球を指摘された。1点を失ってなお1死一、三塁の場面。カウントが1-3となった後、マウンドで右手を口に近づけた仕草が指をなめる行為とみなされ、ボールを宣告された。
薮田は「無意識のうちにやってしまった」と振り返った。ヒルマン監督は「ボールが多少滑るのだろう」と、日本の公認球と比べて滑りやすいとされるメジャー公認球への戸惑いから、無意識で指に湿り気を与えようとしたとの見方をした。
ピンチを広げた結果、1回を投げて被安打3、自責点2。薮田は外角に広いメジャー特有のストライクゾーンについても「まだ分かりづらい」と1試合だけではつかみ切れなかった。
ヒルマン監督は「野茂はメジャーの経験が豊富だが、薮田は初めて。少し緊張していたし、環境の違いもある。それでもマウンドの上でおびえた様子を見せなかった」と擁護した。
薮田は「日本でやってきたことと同じことをやろうとしたが、ダメなものはダメという結果が出た。直していきたい」と未知の世界への適応を課題に挙げた。【高橋秀明】
○…キャンプ地のフロリダ州フォートマイヤーズと首都ワシントンをチャーター機で日帰りするというあわただしい日程の中、岡島がブルペン入りし、49球を投げた。そばで見ていたファレル投手コーチは「全体的に安定していた」と評価したが、気になるのは、沈む「新球」。
打者の右左によって、指のかけ方を変えるため、変化も異なる。「ストライクゾーンの低い位置に落とすと効果的」と、実戦で投げるところをすぐにも見たそうだった。