大手製紙メーカー「大王製紙」の前会長がグループ企業から巨額の金を個人的に借り入れていた問題で、借り入れの総額が１００億円以上にのぼるとみられることがわかりました。

　この問題は「大王製紙」の井川意高前会長（４７）がグループ企業の少なくとも７社から多額の金を個人的に借り入れ、うち５５億円が返済されず、使い道がわからなくなっているものです。会社側は社内に調査委員会を設置し、経理資料を調べるなどしてきましたが、井川前会長が借り入れた総額が１００億円以上にのぼるとみられることが関係者の話でわかりました。

　井川前会長はギャンブルが趣味だったということで、このうち数億円はグループ企業から前会長のアメリカ・ラスベガスの口座に直接入金されていたということです。一方、井川前会長は一度だけ応じた調査委員会の聴取に対し、借り入れた金について「株の投資に使った」などと説明したということです。

　東京地検特捜部はこれまでに会社側に経理資料の提出やグループ企業の社員の聴取を要請していて、会社側は今月末をメドにまとめる調査結果を踏まえて特別背任の容疑で刑事告訴を検討しています。（18日15:29）