オフィス仲介の三鬼商事(東京・中央)が12日まとめた1月末時点の東京都心5区(千代田、中央、港、新宿、渋谷)のオフィス空室率は前月末比0.11ポイント低下の5.36%と、2009年1月(4.93%)以来6年ぶりの低水準となった。改善は19カ月連続で、本格的な賃料引き上げの目安とされる5%台を5カ月続けて維持した。
収益が改善している企業などが業容拡大を図っており、オフィス拡張や移転の動きが活発だ。1月は千代田区の既存ビルで大手銀行のグループ会社の大型案件が成約するなど、堅調な需要に支えられた。2月は港区で15年の目玉物件の一つである大規模オフィスビルが竣工するものの、空室が残る可能性を指摘する声もあり、一時的に空室率が押し上げられそうだ。
一方、都心5区のオフィス平均賃料は3.3平方メートルあたり1万7109円と、前月末より0.92%(156円)上がった。上昇は13カ月連続。11年10月以来3年3カ月ぶりに1万7000円台に乗せるなど、賃料相場は底堅く推移している。
大阪ビジネス地区の空室率は0.06ポイント上昇の7.98%、名古屋ビジネス地区は0.09ポイント低下の7.44%だった。〔日経QUICKニュース(NQN)〕