【カイロ=共同】過激派組織「イスラム国」の英字機関誌「ダビク」の最新号が12日、インターネット上で公開され、同組織による邦人人質事件について「傲慢な日本政府に恥をかかせるのが目的だった」との主張を展開した。
機関誌は巻頭の2ページを割いて事件を取り上げ、千葉市の湯川遥菜さんと仙台市出身の後藤健二さんとする写真も掲載。2億ドル(約235億円)の身代金要求について「(同組織は)金には困っておらず、日本政府が身代金を支払わないことは分かっていた」とした。
安倍晋三首相が2億ドルの人道支援を発表するまで日本は「標的として優先度は高くなかった」とし、支援表明を「軽率な約束」と非難。「日本人は今や戦闘員らの標的だ」と主張した。
さらに「平和」憲法がありながら日本はこれまでアフガニスタンやイラクの戦争で米国などを支持してきたと指摘。イラクで2004年に日本人旅行者の香田証生さんが、同組織の源流の一つ「イラク聖戦アルカイダ組織」に殺害された事件にも言及した。
また、ヨルダン政府を「無謀にもヨルダン軍パイロットの交換を交渉に含めようとして事態を複雑化させた」と批判。パイロット殺害は、米軍主導の空爆でイスラム教徒が死亡していることに対する「報復」とした。